アクティブホームレスとコイトタワーに行った話
Couchsurfing っていうWebサービスを知ってますか?
couch つまりソファーを渡り歩く、みたいな意味で
外国人を泊めたい人と泊まりたい人をマッチングするサービスなのですが、
これに「Hangout」という機能があるんです。
これは、その瞬間に近くで暇している旅行者をマッチングして一緒に何かできるようにするもので
したいことを入力しておくと、興味持った人がメッセージをくれたり、自分から興味ある人にメッセージを送ることができます。
…
…いやまあ、基本来ないので、自分から話しかけてみることになります。男だからか?女だったら来るのか?出会い系と一緒か?
さて。
先日、僕はその機能を使って暇な人を探していたら、「I want to catch pokemons」と言っている人を見かけました。
僕は誰かと一緒にサンフランシスコでポケモン獲りをしたいぞと思っていたので
その人に話しかけてみました。
別のもう一人も加わって今日会うとか明日会うとか科学館に行くとか行かないとか話がゴタゴタしながらも、
結局、その日のうちにその人と2人で会うことに。
「コイトタワーにいる」ということで、バスで向かうことにしました。
そもそも僕はコイトタワーを知らなかったので、地図で場所を確認して、バスを調べて。
まあ、Google maps を使えば一瞬です。コイトタワーって入力して「ここまでのルート」を押すだけ。
コイトタワー。
で、1時間ほどバスに揺られてコイトタワーにつくと
「ライウノスケ?」と話しかけてくる男が一人。
(僕の名前は「竜之介」ということにします)
どうも「Ryu」の「Ry」を「ライ」と読み、「u」を「ウ」と読んでいるようです。
そこにいたのは、なかなかの髭をたたえた南米風の男。
服装も綺麗ではなく、いい身なりとは言えません。
彼はその風貌に微妙に似合わないやや高めの、感じの良い声で話しかけてきました。
そして、「Nice to meet you」などの定型文の挨拶をすませると、すぐさまいろいろ教えてくれました。
「ここからゴールデン・ゲート・ブリッジが見えるよ」
「あれがアルカトラズ島で」
「あっちがトレジャーアイランド」
「ここにある双眼鏡を使うとよく見えるよ。クォーターコインは持ってる?」
お、おう。
とりあえず案内に従って写真を撮ったり、クォーターコインで双眼鏡を見たりする僕。
「日本から来たんだって?」
「あの主人公たちはみんな似たような性格をしているよね。強い意志を持っていて、大食いで…」
僕「あ〜、あれはジャンプっていう雑誌の特徴で、ジャンプ主人公たちはみんなああいう性格をしてるんです」
僕「ところで、コイトタワーに登りたいんですけど。」
「ああ、登るかい?じゃあ行こうか」
そう言って彼が3歩ほど歩いた先には、ものすごい大きさの荷物が。
…あれ、この人これ全部持って移動してるのか…?
…どれもあんまり綺麗とは言えないけど、この人ホームレスじゃね…?
なんてことを思いつつ、大荷物はコイトタワーの入り口におかせて貰って、入場料を払ってエレベーターで登ってきました。
タワーの上は大して広くないです。
でも景色は流石です。
一緒に撮った写真がこちら。
このコイトタワー、何かに使うための塔というわけではなくて、資産家の遺産で建てられたそうです。
メモリアルタワーって奴ですね。
1階には壁画があるのですが、当時の芸術家を救うための雇用だったとかなんとか。
まあそんな感じでコイトタワーは見終わりました。
さて。
その後はその彼と2人で場所を移動し、フィッシマンズワーフのあたりを散策しました。
…が
彼のたくましさが見えたのはこの散策の時でした。
相変わらず「このあたりは漁船がよく見えるよ」などと教えてくれながら歩いているのですが
彼、道中に落ちていた紐を拾いました。
「荷造りに使うんだ。ほら、リュックのこの部分とか、自分で補修してる。」
確かにその部分だけ、紐の種類が違います。
さらに彼、道中に落ちていた飲みかけのジュースを見つけては、拾って飲んで、残りをまたその辺に置いていきます。
僕「(お、おう…マジか…)」
僕「今夜はどこで寝るの?」
と思い切って聞いてみると
「outside」「in a park」
お〜〜〜〜ホームレスだったよ!
ホームレスと街を散策することになるとは思わなかったぜ!
半分の納得と半分の驚きを抱えながら引き続き散策して
港から夕日を見て、解散しました。
でも彼、いわゆる想像するような「ホームレス」とはかなり違うようです。
Webで知り合った(おそらくCouchsurfing)メンバーで車を相乗りして
今はメキシコにいるようです。
お金はある程度あるけど、あえて宿をとらずに屋外生活をしてたみたいですね。
すごすぎるだろ…!
あ、結局ポケモンはやらなかったです。