不定方程式を解こう!
不定方程式って何?
不定方程式の話します!想定読者数学レベルは中学レベルです。
突然ですが、こちらの方程式を考えてみましょう。
この方程式は「不定方程式」と呼ばれるものの一種です。
普通、文字が2つ入った方程式は式も2つないと答えが決まりませんが
この問題は式が一つしかありませんので、答えが定まらないという意味で不定方程式と言います。
実際、この問題は答えが無限にあります。
と変形できますので、xにどんな数を入れても、それに合わせたyが決まります。
答えを整数に限る
それではあまりにも何でもアリなので
答えを整数に限ることにします。
すると、たちまち手間のかかる問題に変貌します。
実はそれでも答えは無限にあるのですが、
を満たす整数xとy、すぐに見つかりますか…?
一つ見つけるだけでも案外大変なんですね。
なのでこの記事では、答えを一つ見つけることを目標にします!
解けない場合もある
例えばこちらの方程式。
さっきとちょっと変わっただけですが、これに当てはまる整数x,yは存在しません。
10x+12yとして作れる数はすべて偶数なので、161は作れないんですね。
xとyは負の数でもいいことに注意してください。それでも161は作れません。
このように、解けない問題もあるんです。
なのでこの記事では、解ける問題に限って話を進めることにします。
解き方
ここで一つお聞きしたいのですが
この問題、実はもう解けたという方、案外いらっしゃるのでは…?
こんなふうに考えると良さそうです。
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- 考えここから
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10xの1の位は0。
161の1の位は1なので、13yの1の位を1にするしかない。
y=7とすると、13×7 = 91で1の位を1にできる。
この時点で式は
10x + 91 = 161
なので、x=7となる。
だから、答えの一つはx=7, y=7
(ああなんだ、10+13=23を7倍すればよかったのか)
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- 考えここまで
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ということで、xとyの係数のどちらかが10だと、1のくらいに注目すれば解けそうです。
あまりに注目する
でも、係数に10がいてくれなかったら、今の方法は使えませんね。
これだったらどうでしょう?
xやyは負の数でもいいことに気をつけてください。
1の位に注目してもあまり意味がなさそうです。
実は、先程やった「1の位に注目する」というのは
「10で割ったあまりに注目する」というのと同じことです。
例えば163÷10のあまりは3で、1の位の「3」が取り出せますよね。
今回も同様に「あまり」に注目してみます。
12と17のうち小さい方「12」で割ったあまりに注目します。
18を12で割ったあまりは6です。
「12x」を12で割ったあまりは必ず0なので、このあまり6は「17y」の方で作るしかないです!
ここで、17についても12で割ったあまりを考えます。
17÷12 = 1 あまり 5
なので、17 = 12×1 + 5 と書けて、
17y = 12y + 5y となります。
このうち「12y」の部分は12で割ったあまりに影響を与えませんので、
この5yで「12で割ったあまりが6になる数」を作ればいいわけです!
yに自然数を1から順に代入しながら12で割ったあまりを確認していくと…
5×1 = 5 → 5
5×2 = 10 → 10
5×3 = 15 → 3
5×4 = 20 → 8
5×5 = 25 → 1
5 × 6 = 30 → 6 見つかった!
ということで、y=6とした時に、17yを12で割ったあまりが6になります。これでy=6を確定させて良いとわかります。
この時点でもとの式はこうなってます
あとはxを求めましょう。
17×6と18は12で割ったあまり同じなので、その差は12の倍数になっています。
なのでxは整数になるはずです!
ということでx=7とわかり、求める答えの一つは
と見つかります!
アプリ作りました
と、いうことで、こんな感じの問題をガンガン解けるアプリを作りました。
「ベズー計算トレーニング」です!
この形の整数不定方程式を「ベズーの等式」と言いまして、そこから名前を取っています。
iOS:
apps.apple.com6問解くまでのタイムアタックです!
慣れるまで結構難しいと思いますが、この記事で解説した考え方を使えばそこそこ速くなるはず!