岡竜之介のブログ

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「自然数の集合のべき集合」と「実数の集合」が同じ濃度であることの証明

どうも。サンフランシスコからこんにちは。

なんでサンフランシスコにいるのに数学の記事書いてるの?って言うと、僕が趣味で勉強してるからです。

公立図書館に行って、数学やって、動画編集して、Google Earthのフライトシミュレーターで遊んで、帰ってくる。

そうですね。

日本でも出来ますね。

何しに来たんた!!まったく!!!!!

いや、あるんですよ、メリット。

僕今仕事も就活もなんにもしてないんですけど、

特に怒られたりしてないんですね。

日本で同じことやってたら「あんたこれからどうすんの」みたいなことをちょくちょく言われると思うんですが

サンフランシスコに来てるっていうだけで、別に通信機器は同様に使えるにも関わらず、言われなくなるっていうね。

はい。

ESTAの限界が来て滞在許可が切れたときに、きっと地獄を見るんでしょうね。

では数学の話です。

自然数の集合のべき集合」と「実数の集合」が同じ濃度であることって、知識としては知ってるけどちゃんと証明したことなかったりしますよね。

濃度?

集合の要素の個数のことです。でも無限集合だと「無限!」になってわけわかめなので、「濃度」という概念を使います。

概念。かっこいいですね。

単射 {f:A \to B} が存在したら、濃度は {|A| \leq |B|} です。

全単射があったら等しいです。全単射がなかったら等しくないです。両方から単射があったらそれは全単射があるから等しいわけですね。すごいね。

有限集合の「要素の個数」もこれを満たします。すごいね。

自然数の濃度

皆さんは友達が無限人いると思いますが、それらの友達を知り合った順に並べて1から番号を付けることができますね。

その友達の人数が、自然数の濃度です。{|\mathbb{N}}|と書きます。例が身近で分かりやすいですね。

人に番号を付けるなんて、囚人みたいですね。友だちを囚人扱いするなんてあなたは最低です。

実数の濃度

実数は身近な例ないです。

自然数→実数 の単射はあるけど(包含写像とかね)、実数→自然数単射はないので、

濃度で言うと 自然数<実数 です。{|\mathbb{N}| \lt |\mathbb{R}|}と書きます。

自然数のべき集合の濃度

皆さんはいつも「今日は誰とつるもうかな〜」なんて考えてますが

そのつるむ友だちの選び方の数が、自然数のべき集合の濃度です。

有限人呼んでもいいし、無限人呼んでもいいです。全員呼んだり一人も呼ばなかったりしてもいいです。

この濃度も、自然数の濃度より大きいです。

{|\mathbb{N}| \lt | \mathfrak{P} (\mathbb{N})|}と書きます。

Bかβみたいに見えますがPです。わかりにくいですね。

教科書にも出てきましたけど、ずっとBたと思ってましたよ。今この記事を書きながら、Pを入力したらこれが出たのではじめて知りました。

まだまだ皆さんの人生もこれから初めて知ることはたくさんあると思いますよ。

{ |\mathbb{R}| = |\mathfrak{P} (\mathbb{N})| }

はい。これを証明することが今日のテーマです。

ここまでは前提知識です。

前提知識、全然丁寧に解説してないのにやたら文字数を食っているのは何なんでしょうね。

余計な話をしてばかりいるからでしょうね。

よくあるんですよ、余計な話をして、後から「俺なんで今こんな話したんだろう」って後悔すること。

「相手に『この人はなんで今こんな話をしたんだ?』って思われてたらやだなあ」とか、思いますよね。

でも、多分、相手は僕やあなたにそんなに興味持ってないので、多分何も考えてないです。

だから大丈夫です。自信を持って明日を生きてください。

はい。

{\displaystyle
| (0,1] | = | \mathbb{R}| \tag{1}
}

まずこれが大事です。実数全体と(0,1)をタンジェントとかをうまく使って一対一対応させて、端っこの1については順次{\cfrac{1}{2^n}}に写すとかして対処すれば、全単射を作れます。

それができたら、

{\displaystyle
| (0,1] | = | \mathfrak{P}(\mathbb{N})| \tag{2}
}

を証明することで、題意{ |\mathbb{R}| = |\mathfrak{P} (\mathbb{N})| }を証明します。

まず、{\ (0,1\} |}の全ての元を、二進数の無限小数で表します。

0.011000110110…

みたいになりますね。

0.1

みたいな奴は

0.0111111111111111......

として表すことにします。決して0.100000000000000...にはしません。

これで、{\ (0,1] }の全ての元を、無限小数で一通りに表すことが出来ました。

この「一通り」が大事です。彼女も同意なしに2人作ると怒られますね。それとまったく同じです。

ちなみに、彼女の場合は同意があれば何の問題もありません。本人が決めることであって、他者がどうこういう話ではありません。

夫婦別姓とか同性婚とかの話も、本人が良ければそれで良いのです。他人が「こうあるべきだ」とか言う話ではありません。

ちなみに数学は同意してくれないので、一通りじゃなきゃダメです。

で。

この小数表示に対して、小数第何位に1があるかを調べて、その数字の集合を対応させます。

例えば

0.101010110... という小数に対しては

{1,3,5,7,8,...} という集合を対応させます。小数が無限小数なので、必ず無限集合になります。

おお!なんか、実数と自然数のべき集合が対応してきましたね!!

小数から自然数の無限集合がただ一つ定まるし、

逆に自然数の無限集合から、小数がただ一つ定まります!

でもまだダメです。

{\mathfrak{P}(\mathbb{N})}には、有限集合も含まれてます。

あとは、{\mathfrak{P}(\mathbb{N})}と、ここから有限集合を抜いたものの濃度が等しいことを言えば、完了です。

ここで、{\mathfrak{P}(\mathbb{N})}を3つの部分に分けます。

有限集合を集めてA1にします。

A1の補集合を集めてA2にします。A2の要素は全部無限集合です。

それ以外は全部A3にします。

A3は、それ自体も、その補集合も無限集合になるような奴が集まってるってことですね。

A1とA2とA3に被りはなく、A1∪A2∪A3は{\mathfrak{P}(\mathbb{N})}に一致します。

はいここで

A1は、要素の合計が小さい順に並べて、同じ合計値のものは辞書順に並べると、自然数の番号を振ることが出来るので、自然数と一対一対応が作れますね。

今度は同じ番号を、A1の要素の補集合の方に振っていくと、A2と自然数の集合の一対一対応が作れますね。

さらに。今度はA1の要素に番号を振っていくときに、その補集合にも交互に番号を振っていくことにします。

すると、今度はA1∪A2にも、自然数との一対一対応が作れましたね。

はい、これで |A1∪A2| = |A2|が言えました。

ということは、両辺に「∪A3」を付け足すと

|A1∪A2∪A3| = |A2∪A3| ですね。

これで、{\mathfrak{P}(\mathbb{N})}と、ここから有限集合を抜いたものの濃度が等しいことが言えました!

結局、辿ったルートとしては

{\displaystyle
 |\mathbb{R}| = |A2 \cup A3| = |A1 \cup A2 \cup A3|   = |\mathfrak{P} (\mathbb{N})|
}

ってことになります。

以上!!!!お疲れ様でした!!!!