岡竜之介のブログ

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サンフランシスコでの入国審査でひっかかり別室送りにされた件について

入国審査です。

 

"What's the purpose of your visit?"

「斎藤寝具店です。("Sightseeing ten days")」とかいうアレです。

 

これ、本当に一般的な旅行なら問題なく通りますが

 

ちょっと「ん?」っていう点があると案外すぐ別室に突っ込まれるっぽいので気をつけてください。滞在が長いとか。訪問回数がやたら多いとか。仕事してないとか。お金持ってなくて生活力がないとか。

 

では僕のケースをお話します。

 

僕の今回の旅の目的は「サンフランシスコに住むこと」でした。

 

なので、観光ビザ(ESTA)だけを取得して、ESTAの限界である90日に近い85日を滞在期間として設定し、その期間に該当する宿をAir Bnbというサービスで取り、アメリカに来たのでした。

 

飛行機で記入した「入国審査用紙」みたいな紙を持って行列に並ぶ私。

 

そして審査待ちのクソ長い列がようやく終わり、自分も審査官の前へ。

 

良い感じの明るそうなウェ〜ブ黒髪のおばさんが担当でした。

 

審「何しに来たの?」

岡「観光です」

審「何日?」

岡「85日です。」

 

審「85日〜〜〜?????????」

 

審「何で85日なのよ」

岡「いやあの、できるだけ長く滞在したくて」

審「どうして?」

岡「えっと…それが目的だったからというかなんというか」

審「……仕事は?」

岡「(ここで無職はまずい!)Webマーケターです(辞めたけど…)」

審「Webマーケター…。」

岡「英語でもそう言うかはわからないですけど、日本ではそう言います」

審「今いくら持ってるの?」

岡「今ですか?97ドル(9700円)くらいです。」

審「はぁ。OK、わかりました。」

岡「え、今財布にいくらあるかってことですよね?(クレジットカードもあるから生活できるけど、財布の現金だとそれくらいしかない)」

審「(入国審査用紙に何やら書き込む)OK。じゃ指紋と写真を撮ります。」

岡「はい。(よかった、これは前の人もみんなやった行程だ)」

 

審「じゃあ通っていいわ」

岡「はい。(やった〜〜〜突破したぞ)」

 

 

受け取った「入国審査用紙」を持って部屋の出口へ向かう僕。

 

いや〜、一時はどうなることかと思ったけど、なんとかなるものね!別室送りなんて本当に嫌だからね!!

 

部屋の出口では、メチャクチャ屈強な肌の黒い男性が一人一人「入国審査用紙」をチェックしている。

 

その列にならぶ僕。

 

「…あれ? 他の人が持ってる用紙と俺が持ってる用紙、微妙に書かれてる事がちがくね? というか、俺パスポートにスタンプ押してもらってなくね?」

 

そして自分の番。

 

「はい。」

「あ、これダメです。そこを〜〜して〜〜して行ってください(英語が聞き取れない)」

「え?え?」

「右の部屋です!行ってください」

 

出口から突っ返され、「右の部屋」に通される僕。

 

「右の部屋」の入口には Secondary の文字がありました。

 

2つめの部屋。そうです。「別室」です。

 

僕は別室送りになったのです。

 

 

うへ〜〜〜〜〜〜〜

 

 

別室に入ると、そこは病院の待合室みたいになっていて、既に15人くらいの人がいました。

 

とりあえず席に座ると、カウンターから「パスポート出して」の声。

 

どうやら、先にパスポートを提出してから待合室で待つシステムみたいです。

 

病院の診察券・保険証と同じ仕組みですね。出すものもパスポートと入国審査用紙でちょうど2つあるし。奇しくも。

 

待合室の雰囲気はめちゃくちゃ殺伐としてます。

 

岡「(うわ…もっと個室みたいな所にぶち込まれるかと思ったけど、案外人いるんだな…でもこえぇ〜〜)」

 

岡「(あ、名前を呼ばれた人が前に行ったぞ?なるほど、順次名前を呼ばれて面談をされる手順なんだな。病院と同じだな。)」

 

岡「(ドキドキドキ…)」

 

ドキドキしている間に、時間が経過していきます。

 

岡「(ドキドキドキドキ…)」

 

新たに入ってきた人が、席に座ろうとして「パスポート出して!」と言われるくだりを繰り返しています。

もっと「はじめにパスポートを出す」という手順がわかるような仕組みにしておけよ!

 

岡「(ドキドキド…待ち時間長いよ!!)」

 

その時、空港の職員とは明らかに違う制服を来た女性が部屋に入ってきました。

 

女性「Korean Airline Passenger…?」

 

そうです、この人は航空会社の人でした。

 

別室送りの一人「はい、私がそうですが」

 

女性「名前を教えて下さい。…◯◯さんですね。荷物が残ってます。」

 

あ!なるほど荷物か!!

 

預け入れた荷物を一向に取りに来ない人に、荷物を渡しに来たみたいです。

 

僕「…(ていうか俺もKorean Airlineの該当者じゃね?)」

 

僕「はい、僕もです」

 

その後一通り該当者のチェックがなされ、その女性がみんなの荷物を別室まで持ってきてくれました。

 

別室送りの人の荷物ってこうやって対処されるんですね。

 

 

……

 

 

さて。ついに僕の名前が呼ばれるときがきます。

(僕の名前は「岡竜之介」ということでいきます)

 

審「オコ……リウズック!」

別室送りの人たち「…(誰も返事をしない)」

岡「(誰だよ…早く返事しろよ…)」

審「オカ…リウノック!」

岡「(…もしかして俺か…?)あの…僕ですかね…?」

 

前に出ていく僕。

 

審「これお前か?(パスポートを見せてくる)」

岡「あ、はい。僕です。」

審「OK。何しにアメリカに来た。」

岡「…観光です」

審「何日?」

岡「85に

審「85日は観光とは言わない!本当の目的を言え。」

岡「えと…本当にそれだけが目的で…」

審「どうして85日も必要なんだ」

岡「あのその…文化を学んだりとか…文化を学んだりとか…」

審「はあ?もっとちゃんと説明しろ」

岡「えっと…サンフランシスコへの滞在に非常に興味があって…できるだけ長くいたくて…」

審「はあ…。まあいい。仕事は?」

岡「Webマーケターです。」

審「Webマーケターねぇ…。お前の会社は85日も休むことを許したのか?」

岡「あ…いやその…」

審「お前の会社はそんなに長い休みを許したのかって聞いてるんだよ」

岡「えと…Webマーケターだったんですけど、会社は辞めまし

審「それはマズイ情報だな!!!辞めたのか!!」

岡「いや、でも、それはこの滞在のためにお金を稼いだからで、十分お金は持ってるから生活力はあって」

審「おいそこの人!パスポート出して!(新しく入ってきた人に対して)」

岡「…」

審「帰りの飛行機のチケットを見せろ。」

岡「あ、はい、ここに…(もろもろ印刷してきたものを取り出す)えっと飛行機の奴は…

審「それ全部見せろ。」

岡「あ、はい。(渡す)」

審「これはいい(ESTAの奴を返す)」

岡「あはい。(受け取る)」

審「ホテルは?」

岡「Airbnbというサービスで…」

審「Airbnbねぇ…」

岡「あ、宿の情報はその紙です。」

審「(突然電話をかける)ホニャララホニャララホニャララ(全然聞き取れない)」

岡「…(僕をとっつかまえる担当の人を呼んでるんだろうか…)」

審「お金はいくら持ってる?」

岡「97ドルくらい…」

審「97ドル〜〜??」

岡「あ、でも、それは財布の話で、銀行口座にもっとあります」

審「いくらあるんだ?」

岡「◯◯円くらい…えっと、米ドルだと◯◯ドルくらいですね…」

審「ふうん…」

岡「あの、銀行のアカウント見せましょうか?」

審「それは良い情報になり得るな。見せろ。部屋を出ればフリーWi-Fiに繋げられる。」

 

一旦部屋を出てアカウントの画面を出す僕。

 

岡「(あ、これまずいな…。)」

 

戻る僕。

 

岡「これです。」

審「さっき言ってた額よりずっと少ないじゃねぇか!!」

岡「半分株で持ってるんです。」

審「株なんかどうでもいいんだよ。お金をどれだけ持ってるか見せろって言ってるんだ」

岡「株の画面はこれで、足すとさっき言った額に」

審「お金を見せろ〜お金を見せろ〜(変なリズムに乗っている)」

岡「株はいつでも売ればお金にできるから…」

審「はあ…(ため息)」

岡「…」

審「…」

岡「あの…この滞在は僕の夢だったんです…そのためにお金を稼いで仕事を辞めてきたんです…(話を大げさにしている)」

審「…」

岡「…」

審「わかったよ。(パスポートにハンコを押しながら)」

岡「…(パスポートにハンコ押してる!!)」

審「絶対に働くなよ。」

岡「はい。もちろんです。(せっかくニートなのに働くわけ無いだろ)」

審「それから帰国後1年はアメリカに入れないぞ。」

岡「…えっと、なんですって?(英語が聞き取れない)」

審「帰国後1年はアメリカに入れないぞって言ってるんだよ!怪しまれるからな」

岡「ああ、はい。大丈夫です。」

審「ほらよ。(パスポートを渡す)」

岡「ありがとうございます!」

審「Enjoy your dream.」

岡「あなたは神だ」(本当に You're my god. と言いました)

審「あとお金は一箇所にまとめとけ」

 

 

…ということで。

 

なんとか通してもらうことが出来ました。

 

結局良かったのは、

・帰りのチケットと宿の情報を全部印刷して持ってきていたこと

・十分生活力があることを自分から示して証明したこと

 

でした。

 

入国審査官は、国民の雇用確保のために、外国から来た人に勝手に仕事をされることを一番恐れているんですね。

 

なので、長期滞在はそれだけで疑われますし、その滞在に耐えるお金を持ってないと入れてもらえないわけです。

 

もちろん、帰る意志があることを示す必要もある。それが帰りの飛行機ですね。宿の退去日と一致してると良いでしょう。

 

 

以上です。皆さんも、海外に行かれる際は参考にしてみてください。

 

 

最後の方のやり取りは待合室全体から笑われてました。